
「WEBサイトの売上を伸ばしたいけれど、コンサルタントに頼むといくらかかるのか見当もつかない」
そんな悩みを抱えていませんか? 実は、WEBコンサルティングの費用ほど分かりにくいものはありません。ある会社に見積もりを取ったら月額50万円と言われ、別の個人事業主に聞いたら月額5万円でできると言われる。これでは、「何が適正価格なのか」と迷ってしまうのも無理はありませんよね。
私自身、業界に長く身を置いていますが、この「価格の不透明さ」がクライアント様を不安にさせる最大の要因だと感じています。安い見積もりに飛びついて「何もしてくれなかった」と後悔する方もいれば、高額な契約をしたのに「レポートが送られてくるだけ」で終わってしまった事例も見てきました。
ここでは、ブラックボックスになりがちなWEBコンサルティングの「費用相場」と「料金の仕組み」を、業界の裏側も交えて包み隠さず解説していきます。相場を知ることは、自社の予算を守り、本当に成果を出してくれるパートナーを見つけるための最初の防衛線になります。
目次
WEBコンサルティングの費用を理解するためには、まず「コンサルタントは何を売っているのか」を知る必要があります。結論から言えば、私たちが売っているのは「知見」と「時間」です。
モノを売るビジネスではないため、原価のほとんどは人件費が占めます。「どれだけ優秀な人間が」「どれだけの時間をあなたの会社のために使うか」によって金額が決まるのが基本原則です。しかし、契約形態によってその計算式は大きく異なります。まずは、業界で主流となっている3つの料金体系について理解を深めましょう。
なぜ会社によって金額が「0」ひとつ違うのか
同じ「SEO対策」や「WEB集客支援」という名目でも、月額3万円のサービスもあれば、月額300万円のサービスも存在します。この圧倒的な価格差はどこから来るのでしょうか?
それは、「作業範囲」と「責任範囲」の違いに他なりません。
安価なサービスは、ツールで自動生成したレポートを送るだけだったり、テンプレート的なアドバイスをするだけの「作業代行」に近い性質を持ちます。一方で高額なサービスは、経営課題にまで踏み込み、競合調査や戦略立案、さらには社内のWEB担当者の育成までを含む「パートナー型」の関わり方をします。
「コンサル料が高い」と感じたときは、その金額の中に「戦略」や「ノウハウの移植」が含まれているかを確認してみてください。単なる作業の手間賃なのか、事業を成長させるための投資なのかを見極めることが重要です。
料金体系の全体像を把握する
WEBコンサルティングの契約形態は、大きく分けて「月額固定型」「成果報酬型」「プロジェクト型(スポット)」の3つに分類されます。それぞれの特徴を整理しましたので、自社の状況に照らし合わせてみてください。
自社に合うのはどのタイプ?判断の基準
どの料金体系を選ぶべきかは、会社のフェーズや目的によって変わります。
例えば、WEBサイトを立ち上げたばかりで「とにかく方向性を定めてほしい」という場合は、伴走してくれる「月額固定型」が安心です。一方で、「今のサイトの悪いところだけを診断してほしい」という明確な要望があるなら「プロジェクト型(スポット)」の方が費用対効果は高くなります。
よくある失敗は、「安く済ませたいから」という理由だけで成果報酬型を選んでしまうことです。成果報酬は一見リスクがないように見えますが、コンサルタント側からすると「成果が出やすい安全な施策」しか提案しなくなるリスクも孕んでいます。目先の金額だけでなく、「どのような関係性を築きたいか」で選ぶのが正解への近道です。
次に読む:失敗しないWEBコンサルティングの選び方
WEBコンサルティングにおいて最もポピュラーなのが、この月額固定型(顧問契約)です。毎月定額を支払うことで、継続的な分析、提案、ミーティングなどを行います。
「毎月お金を払って、本当に元が取れるの?」と心配になる方もいるでしょう。この形態の最大のメリットは、コンサルタントが御社の「WEB担当者の一員」として機能することです。外部のプロが定期的に数字を見てくれる安心感は、何物にも代えがたいものがあります。ただし、金額によってサポートの手厚さは天と地ほどの差があります。
月額5万円〜10万円:アドバイザー・相談役クラス
この価格帯は、フリーランスや個人コンサルタント、あるいは中小規模の制作会社が提供する「ライトプラン」が中心です。イメージとしては、「WEBに関する家庭教師」や「相談役」といった立ち位置になります。
主なサービス内容は、メールやチャットでの質疑応答、簡易的な月次レポートの送付、月1回程度のオンラインミーティングなどです。実作業(記事を書く、設定を変更するなど)はクライアント側で行う必要があり、コンサルタントはあくまで「方向性の指示」や「壁打ち相手」に徹します。「社内に手を動かせるスタッフはいるけれど、知識が足りない」という場合に適しています。
月額20万円〜50万円:実働支援・戦略立案クラス
本格的にWEBで成果を出したい企業が最も多く利用する価格帯です。このクラスになると、単なるアドバイスだけでなく、具体的な戦略立案や施策のディレクションまでを任せることができます。
例えば、競合サイトの詳細な分析、キーワード選定、サイト構成案の作成、アクセス解析に基づく改善提案(UI/UX改善)などが含まれます。定例会も毎月しっかりと行われ、数字に基づいた深い議論が可能になります。私自身もこの価格帯で依頼を受けることが多いですが、クライアント様のWEB事業部に深く入り込み、時には経営会議用の資料作成を手伝うことさえあります。
月額50万円以上:部門代行・大規模プロジェクトクラス
月額50万円、あるいは100万円を超える契約となると、それはもはや「コンサルティング」という枠を超え、WEB事業部の機能をまるごと委託する「アウトソーシング」や「パートナーシップ」に近くなります。
大手コンサルティングファームや、実績豊富なWEBマーケティング会社が提供するプランです。専任のチームが組成され、SEO、広告運用、SNS、コンテンツ制作など、多角的な視点で施策が実行されます。社内にWEB担当者が不在でも、全てを任せられるレベルの支援が期待できますが、それ相応の予算体力が必要となります。
月額契約を結ぶ前のチェックポイント
● 定例ミーティングは「訪問」か「オンライン」か、頻度はどれくらいか
● レポートは「数字の羅列」ではなく「分析とネクストアクション」が含まれているか
● 契約期間の縛り(最低6ヶ月など)はあるか
● 実作業(修正作業や記事執筆)は料金に含まれているか、別料金か

「順位が上がらなければ0円!」「売上の20%をシェア!」
こうしたキャッチコピーが踊る成果報酬型のコンサルティングは、一見すると依頼側にメリットしかないように思えます。しかし、世の中に「うまい話」はそうそうありません。
成果報酬型は、初期投資を抑えたいスタートアップや、予算確保が難しい中小企業にとって魅力的な選択肢ですが、仕組みを正しく理解していないと、後々大きなトラブルに発展するケースが少なくありません。ここでは、その光と影について詳しく見ていきましょう。
成果報酬型が選ばれる本当の理由
成果報酬型が選ばれる最大の理由は、やはり「ノーリスクで始められる(ように見える)」点です。毎月の固定費がかからないため、社内稟議も通りやすく、心理的なハードルが低いのが特徴です。
また、コンサルタント側にとっても、自分の腕に自信があれば固定報酬以上の利益を得られる可能性があるため、双方にとってWin-Winになる可能性を秘めています。特にSEO対策において、「特定のキーワードで10位以内に入ったら1日〇〇円」といった契約形態は古くから存在します。
「成果」の定義で揉めないためのポイント
成果報酬型で最もトラブルになりやすいのが、「何をもって成果とするか」の定義です。
例えば「お問い合わせ(CV)1件につき1万円」という契約をしたとします。しかし、そのお問い合わせが「営業メール」や「スパム」だった場合、費用は発生するのでしょうか? また、SEO対策で「社名キーワード」などの誰もが検索しない簡単なワードで上位表示された場合、それを成果として認めるのでしょうか?
私が相談を受けた事例では、成果地点を曖昧にしていたせいで、質の低い問い合わせばかりが増え、結果的に高額な成果報酬を請求されてしまった企業がありました。契約書を交わす段階で、成果の条件(除外条件など)を徹底的に詰めておくことが、身を守る術となります。
意外と高い?トータルコストの落とし穴
見逃せないのが、「成果が出たときの支払い総額」です。成果報酬型の単価は、リスクヘッジのために固定報酬型よりも割高に設定されていることが一般的です。
もしWEB施策が大成功して売上が爆発的に伸びた場合、成果報酬として支払う金額が月額固定費の何倍にも膨れ上がることがあります。「こんなに払うなら、最初から月額30万円の固定契約にしておけばよかった…」と後悔しても、契約期間中は解約できないケースも多いのです。
「初期費用0円」の甘い言葉の裏には、こうした将来的なコスト増のリスクや、あるいは「初期費用として数十万円、その後成果報酬」という複合型の場合もありますので、長期的なシミュレーションが不可欠です。
毎月の継続的な支援ではなく、「ここだけ直したい!」「リニューアルを成功させたい!」という明確なゴールがある場合に有効なのがプロジェクト型(スポット契約)です。
この形式は、建設工事のように「要件定義」「設計」「納品」というプロセスを経て完了します。いつまで経っても終わらないダラダラとした契約を避けられるため、予算管理がしやすいのが特徴です。期間は数週間から、大規模なものだと半年〜1年単位になることもあります。
サイト診断・戦略策定のみのスポット依頼
「現在のサイトの問題点を洗い出してほしい」「今後のWEB戦略のロードマップを作ってほしい」といった要望に対するサービスです。
費用相場としては、簡易的な診断で10万円〜30万円、詳細な競合調査やペルソナ設計まで含む戦略策定となると30万円〜100万円程度が目安となります。
成果物として、分厚い診断レポートや戦略資料が納品されます。この資料をもとに、自社で改善を進めるもよし、別の制作会社に実作業を依頼するもよし。セカンドオピニオンとして利用する企業も増えています。
サイトリニューアル・大規模改修のディレクション
WEBサイトのリニューアルは、失敗が許されない一大プロジェクトです。しかし、社内に詳しい人間がおらず、制作会社の言いなりになって失敗するケースが後を絶ちません。
そこで、クライアント(発注者)側に立って制作会社をコントロールする「RFP(提案依頼書)作成」や「要件定義」「進行管理」を行うコンサルティングの需要が高まっています。
費用はプロジェクト規模によりますが、制作費の10%〜30%程度、あるいは50万円〜300万円程度が相場です。「制作費とは別にお金がかかるの?」と思われるかもしれませんが、プロが間に入ることで手戻りが減り、結果的にコストダウンや品質向上につながるため、非常に費用対効果の高い投資と言えます。
社内インハウス化(内製化)支援プロジェクト
最近特に増えているのが、「いつまでもコンサルにお金を払い続けるのは嫌だ」という企業に向けた、インハウス化支援です。
半年〜1年程度の期間を区切り、社内のWEB担当者を育成するための研修や、マニュアル作成、運用体制の構築を行います。
費用は月額換算で30万円〜50万円程度かかることが多いですが、契約終了後は自走できるようになるため、長期的には最もコストパフォーマンスが良い選択肢になる可能性があります。私自身も、最終的には「コンサルタント不要の組織」を作ることが、コンサルタントの最大の仕事だと考えています。
見積もりを取ると、同じ要件でも「大手コンサル会社」と「個人コンサルタント」では金額に2倍、3倍の開きが出ることがあります。「大手だから安心」「個人だから安い」という単純な図式だけでは語れない、それぞれのメリットとデメリット、そしてコスト構造の違いについて解説します。
大手コンサルティングファームの安心感とコスト構造
上場企業や有名なWEBマーケティング会社に依頼する場合、月額費用は最低でも30万円〜50万円、上は数百万という価格帯になります。
この費用の内訳には、コンサルタントの人件費だけでなく、会社のブランド維持費、オフィス代、営業マンのコスト、そして充実したバックオフィス体制(最新ツールの導入や独自データの保有など)が含まれています。
メリットは、組織としてのノウハウが蓄積されており、担当者が休んでも代わりがいるなど、サービスが安定している点です。しかし、ネームバリューを信じて契約したものの、「実際に担当についたのは入社2年目の新人だった」という話は業界あるあるです。高い費用を払うなら、誰が担当になるのか(シニアクラスなのか、ジュニアクラスなのか)を契約前に必ず確認すべきです。
中小・ブティック型コンサルの専門性と機動力
数人〜数十人規模の中小コンサル会社は、特定の分野(SEO特化、広告特化など)に強みを持っていることが多く、大手よりも柔軟な対応が期待できます。費用感は月額15万円〜50万円程度と、大手よりは割安になる傾向があります。
この規模の会社は、代表者が現役の凄腕コンサルタントであるケースが多く、運良くエース級の担当者に当たれば、大手以上の成果を出してくれることも珍しくありません。「広く浅く」ではなく「深く狭く」付き合いたい場合に適しています。
フリーランス・個人事業主のコスパと注意点
最も費用を抑えられるのがフリーランスへの依頼です。月額5万円〜20万円程度で、大手出身の優秀なコンサルタントと契約できる可能性があります。会社の看板にお金を払う必要がないため、支払った費用がダイレクトに担当者の報酬となり、コストパフォーマンスは最強です。
しかし、リスクも最大です。「連絡が急に取れなくなった(飛んだ)」「病気で稼働できなくなった」といったトラブルが起きても、誰も代わりを務めてくれません。また、個人のスキルに完全に依存するため、人選びに失敗すると目も当てられない結果になります。ポートフォリオや過去の実績、SNSでの発信内容などをしっかりと確認し、信頼できる人物かどうかを見極める「採用力」が依頼側にも求められます。

「月額3万円でSEO対策します」「初期費用0円でWEB集客を代行します」
経営者であれば、このような甘い言葉が書かれた営業メールを受け取ったことが一度はあるのではないでしょうか。経費を少しでも抑えたいと考えるのは当然のことですが、WEBコンサルティング業界において、「相場よりも極端に安いサービス」には必ず理由(ワケ)があります。
安易に格安サービスに飛びついた結果、効果が出ないどころか、Googleからペナルティを受けてサイトが検索圏外に飛ばされてしまった…という「安物買いの銭失い」の事例を、私は嫌というほど見てきました。ここでは、格安コンサルに潜む代表的な3つのリスクについて、業界の裏事情を交えて解説します。
リスク1:ツールで自動生成しただけの「コピペレポート」
月額数万円程度の格安コンサルで最も多いのがこのパターンです。
「毎月しっかりレポートを提出します」と言っておきながら、送られてくるのはGoogleアナリティクスの数値をそのまま貼り付けただけのPDFや、SEOツールが自動生成した診断結果のみ。
「先月よりアクセスが5%増えましたね。この調子で頑張りましょう」といった、誰でも言えるような定型文が添えられているだけならまだマシな方で、ひどい場合は「データを見るためのログインIDすら共有されず、実態のない作業報告だけが届く」というケースもあります。
コンサルティングの価値は「データを見せること」ではなく、「データから課題を読み解き、次の打ち手を提示すること」にあります。自動化されたレポートに、あなたの会社の未来を変えるヒントは載っていません。
リスク2:危険なスパム施策(ブラックハットSEO)
これが最も恐ろしいケースです。「格安で順位を上げます」と謳う業者の中には、Googleが禁止している不正な手法(自作自演の被リンク大量設置など)を行うところが未だに存在します。
一時的には順位が上がることもありますが、Googleのアルゴリズムに見つかった瞬間、サイトはペナルティを受けて検索結果から消滅します。一度ペナルティを受けると、解除するには膨大な手間と時間がかかり、最悪の場合はドメインを捨ててサイトを作り直す羽目になります。
「安いから」と契約した業者が、あなたの会社の大切な資産であるWEBサイトを壊してしまうリスクがあることを忘れないでください。
リスク3:担当者が新人・インターン任せ
大手や中堅の会社であっても、格安プランの場合は注意が必要です。人件費を抑えるために、入社したばかりの新人や、知識の浅いインターン生が担当につくことが一般的だからです。
もちろん、新人が一生懸命サポートしてくれることもありますが、ベテランのコンサルタントが持つ「引き出しの多さ」や「危機管理能力」は期待できません。マニュアル通りの対応しかできず、イレギュラーなトラブルが起きた際に対応が後手に回ってしまうことが多々あります。
「誰が担当してくれるのか」を確認せずに契約するのは、無免許の運転手にタクシーのハンドルを握らせるようなものです。
WEBコンサルティングの費用は、決して安い金額ではありません。だからこそ、それを「コスト(経費)」として捉えるのではなく、「投資(インベストメント)」として捉え、どれだけのリターン(利益)を生み出すかという視点を持つことが重要です。
しかし、「コンサルを入れたら売上がいくら上がるのか?」という質問に対して、即答できるコンサルタントはいません。もし「絶対に上がります」と断言する人がいたら、その人は詐欺師か、よほどの素人です。外部要因や競合の動きがある以上、成果は保証できないからです。では、私たちはどのようにして費用対効果を判断すればよいのでしょうか。
ROI(投資対効果)のシミュレーション
まず、単純な金銭的なリターンを計算してみましょう。
ROI(Return On Investment)は、以下の計算式で算出できます。
(コンサル導入による利益増加額 - コンサル費用) ÷ コンサル費用 × 100 = ROI(%)
例えば、月額30万円のコンサルを半年間依頼(合計180万円)したとします。その結果、WEB経由の売上が伸び、粗利が半年で300万円増えたとしましょう。
(300万円 - 180万円)÷ 180万円 × 100 = 約66.6%
この場合、投資額に対して66%以上のリターンがあったことになり、投資は大成功と言えます。逆に、利益増加額がコンサル費用を下回るようであれば、その施策は見直す必要があります。
ただし、ここで注意すべきなのは「時間軸」の設定です。SEO対策などは効果が出るまでに半年〜1年かかることがザラにあります。最初の3ヶ月だけを見て「赤字だから解約」としてしまうと、せっかく蒔いた種が芽吹く前に捨ててしまうことになります。コンサルタントと契約する際は、「いつ頃に損益分岐点を超える計画なのか」というロードマップを共有しておくことが、精神衛生上も非常に大切です。
見落としがちな「資産価値」というリターン
金銭的なリターン以外にも、コンサルティングには重要な価値があります。それは「社内へのノウハウ蓄積」という無形の資産です。
優秀なコンサルタントと一緒に仕事をすると、担当者のスキルは飛躍的に向上します。「なぜそのキーワードを狙うのか」「どうやってユーザー心理を分析するのか」といった思考プロセスを学ぶことで、将来的にはコンサルタントなしでも自社で運用できる力が身につきます。
この「人材育成効果」や「仕組み化」は、決算書の数字には表れませんが、長期的には数百万、数千万円の価値を生み出します。費用対効果を考える際は、単月の売上だけでなく、「将来の自社に何が残るか」という視点も忘れないでください。
いざコンサルティング会社に見積もりを依頼する際、「合計金額」だけを見て判断していませんか?後々のトラブルを防ぎ、適正な価格で契約するためには、見積書や提案書の中身を細かくチェックする必要があります。
「思っていた内容と違った」「追加料金を請求された」といった悲劇は、契約前の確認不足が原因です。私がクライアント側の立場でRFP(提案依頼書)を作る際に、必ず盛り込んでいる重要チェックポイントをご紹介します。
作業範囲(スコープ)の明確化
最も重要なのが「どこまでやってくれるのか」の線引きです。例えば「SEO対策一式:月額30万円」と書かれていても、その中身は会社によって千差万別です。
これらが曖昧なままだと、いざプロジェクトが始まった時に「それは御社でやってください」「やるなら追加費用です」と言われ、プロジェクトが頓挫します。見積もり段階で、「貴社作業」と「弊社作業」の役割分担表を出してもらうようにしましょう。
担当者のスキルと稼働体制
前述の通り、コンサルティングの質は「人」で決まります。
見積書には通常、会社としての実績は書かれていますが、「私の担当になる〇〇さんの実績」は書かれていないことが多いです。
契約前に必ず、「メイン担当者は誰になるのか」「その人の過去の実績や得意分野は何か」を確認してください。可能であれば、契約前の面談にその担当者を同席させてもらいましょう。営業マンは非常に優秀だったのに、実務担当者は頼りなかった、というギャップを防ぐためです。
見積もり・契約時の必須チェックリスト
● 「契約期間」と「解約条件(何ヶ月前に申し出るか)」の明記はあるか
● 月額費用以外にかかる「実費(広告費、サーバー代、ツール代)」の有無
● チャットや電話での相談は無制限か、回数制限があるか
● 成果物の著作権は自社に帰属するか(解約後も記事やデータを使えるか)

「成果は出したいけれど、予算には限りがある」。これは全ての企業の悩みです。
無闇に値引き交渉をすると、サービスの質(コンサルタントの稼働時間)を削られるだけで逆効果です。しかし、工夫次第で適正価格を保ちながら、総額コストを抑える方法は存在します。
私がクライアント様に提案している「賢いコストダウン術」を3つご紹介します。これらは、コンサルタント側から見ても「やりやすい」と感じる方法なので、Win-Winの関係を築けます。
「自社でできること」を増やす(インハウス化)
コンサルティング費用が高くなる最大の要因は「作業代行」の部分です。
記事を書く、画像を加工する、WordPressに入稿する。これらの作業をすべて丸投げすれば、当然費用は跳ね上がります。
逆に言えば、「戦略と指示だけください。手は社内で動かします」というスタンスであれば、費用を半額以下に抑えられることも珍しくありません。
例えば、月額30万円の見積もりのうち、記事執筆代行が15万円を占めているなら、社内のスタッフが書くことでその分をカットできます。コンサルタントには「脳」になってもらい、自社が「手足」となることが、最もコスパの良い活用法です。
スポットコンサルティングの活用
毎月の顧問契約が必要ない場合もあります。
「年に数回の重要な意思決定の時だけアドバイスが欲しい」「サイトリニューアルの設計段階だけ入って欲しい」という場合は、月額契約ではなく「スポット(単発)契約」を打診してみましょう。
多くのコンサル会社は月額プランを基本としていますが、相談すれば「3ヶ月集中プラン」や「サイト診断のみ」といったカスタマイズに応じてくれることがあります。特に、ある程度運用が軌道に乗ってきたフェーズでは、毎月の定例会を隔月に変更するなどの調整でコストダウンが可能です。
補助金・助成金の活用
これは意外と知られていないのですが、WEBコンサルティングやサイト制作には、国の補助金が使えるケースがあります。
代表的なものに「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などがあります。
これらの補助金を活用すれば、費用の1/2〜2/3程度が国から補助されるため、実質的な負担を大幅に減らすことができます。ただし、補助金の申請には複雑な書類作成が必要であり、認定された支援事業者(ITベンダー)を経由する必要があります。契約前に「御社は補助金の対象になりますか?」「申請サポートはありますか?」と聞いてみることを強くおすすめします。
ここまで、WEBコンサルティングの費用相場や仕組みについて詳しく見てきました。最後に、あなたが「適正価格で最高のパートナー」を見つけるために、心に留めておいてほしいことがあります。
「相場」はあくまで目安に過ぎない
月額30万円が高いか安いか。それは、その金額によって得られる「未来の価値」によって決まります。
たとえ月額5万円でも、何も成果が出なければそれは「5万円の損失」です。逆に月額100万円払っても、それによって売上が1000万円増えれば、それは「バーゲンセール」と言えるでしょう。
「相場より安いから」という理由だけで選ぶのは危険ですし、「高いから間違いないだろう」と盲信するのも危険です。
大切なのは、「自社の課題解決に対して、その金額が見合っているか」を冷静に見極める目を持つことです。
信頼関係(ラポール)がお金以上の価値を生む
コンサルティングは、形のないサービスです。最終的に成果を左右するのは、担当者との「相性」や「信頼関係」です。
「この人の言うことなら信じてやってみよう」「このクライアントのためなら、もう少し頑張って分析してみよう」。そんな人間同士の熱量が、アルゴリズムやデータの壁を超えて、大きな成果を生み出す瞬間を私は何度も見てきました。
見積もりの金額だけでなく、提案時の熱意、レスポンスの速さ、そして「御社のビジネスを本気で理解しようとしているか」という姿勢を見てください。
良いWEBコンサルタントとは、単なる外部業者ではなく、あなたの会社の成長を誰よりも真剣に考える「社外のパートナー」であるべきなのです。
■成果につながるWEBコンサルティング選びの要点
WEBコンサルティングの費用は「何をしてくれるか」の範囲と質によって大きく変動します。適正な価格で最大の成果を得るために、重要なポイントを整理します。
まず、料金体系には「月額固定」「成果報酬」「プロジェクト型」の3種類があり、自社のフェーズに合わせて選ぶ必要があります。継続的な改善なら月額固定、特定課題の解決ならプロジェクト型が適しています。次に、安すぎる見積もりには「作業のみ」「自動ツールのみ」といったリスクが潜んでいることを理解し、逆に高額な場合は「戦略」や「ノウハウ移転」が含まれているかを確認してください。
これからコンサルタントを探す方は、まず「自社でできること(記事作成や更新作業など)」と「プロに頼みたいこと(戦略立案や分析)」を書き出すことから始めてみてください。その上で、見積もり依頼時には「どこまでが料金内か」の役割分担表を必ず要求しましょう。この一手間をかけるだけで、ミスマッチのリスクを劇的に減らすことができます。
WEBコンサルティング費用に関するよくある質問
A. 契約内容によりますが、違約金が発生する場合があります。
SEOなどは成果が出るまで時間がかかるため、「最低契約期間6ヶ月」などの縛りを設けている会社が多いです。途中解約の場合、残存期間の費用を一括請求されることもあるため、契約書を必ず確認しましょう。
A. 記事作成やサイト改修の実作業は別料金になることが一般的です。
コンサルティング費用はあくまで「分析・提案・進行管理」の対価であるケースが多いです。ライターへの原稿料や、システム改修費、広告費などの実費は別途予算を確保しておく必要があります。
A. 問題ありませんが、担当窓口となる方は決めておくべきです。
専門知識はコンサルタントが補いますが、社内の決裁や情報共有を行う窓口担当者がいないとプロジェクトが進みません。「丸投げ」ではなく「二人三脚」で進める意識があれば、知識ゼロからでも成果は出せます。
A. 施策内容によりますが、SEOなら半年〜1年が目安です。
広告運用やUI改善(LPO)であれば1〜3ヶ月で数字が動くこともありますが、SEOやコンテンツマーケティングは時間がかかります。短期的な成果と中長期的な資産構築、それぞれの時間軸を理解しておくことが大切です。
執筆者
小濵 季史
株式会社カプセル 代表
デザイン歴30年以上。全国誌のデザインからキャリアをスタートし、これまでに1,000件以上の企業・サービスのブランディングを手掛けてきました。長年の経験に裏打ちされたデザイン力を強みに、感性と数字をバランスよく取り入れたマーケティング設計を得意としています。
また、自らも20年以上にわたり経営を続けてきた経験から、経営者の視点に立った実践的なマーケティング支援を行っています。成果に直結する戦略構築に定評があり、多くの企業から信頼を寄せられています。
香川県出身で、無類のうどん好き。地域への愛着と人間味あふれる視点を大切にしながら、企業の成長を支えるパートナーであり続けます。