今や集客に絶大な効果を発揮するインスタグラム。
近年ではそのユーザー数もますます増加していて、アクティブユーザーは日本国内で3,300万人を突破しています。
そんなインスタグラムを、企業のSNSマーケティングとして利用することで、売り上げや認知度向上につなげるケースが多くなってきています。
そんな中、弊社に相談される企業様の多くが「運用しているが効果がでない」「本業と兼務でほとんど運用できていない」「今後始めていきたいが、何から準備すればいいのか」など、運用について悩まれている方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、インスタグラムを活用して成果を上げていきたい方に向けて、インスタグラム運用の成功に欠かせない運用を始める前の事前準備についてご紹介いたします。
まずは、インスタグラムを活用する目的を具体的に設定しましょう。
例えば、商品・サービスの知名度向上、商品販売数を増やす、実店舗への来店数を増やすなど、具体的な目的を明確にしましょう。
明確な目的がない状態でインスタグラムの運用を開始してしまうと、本来の目的とはブレてしまい、最終的に「インスタグラムのフォロワーを増やす」が目的になってしまう企業様が非常に多いです。
インスタグラムは、フォロワーが増えることが求めている結果につながるのではなく、
目的を達成できる見込み度の高いユーザーを集客することが目的を達成させる重要なポイントになります。
目的が不明確なまま運用を開始してしまうと、どんなユーザーを集客すればいいのかわからず、とりあえずフォロワーを増やそうと考えてしまい、フォロワーを増やすことが目的になってしまいます。
そうならないために、「インスタグラムを活用してどんな目的を達成させたいのか?」を決めることが大前提で必要になります。
目的を明確に決定することができたら、その目的を達成するために、集客したいターゲットユーザーを具体的に決めましょう。
例えば、「20代の女性で、ファッションに興味があり、都市部に住んでいる」といったように、年齢層、性別、関心事、地域などの詳細な情報を把握します。
このように、具体的にターゲットユーザーのことを「ペルソナ」と言います。
よくあるターゲットユーザーを決定する失敗例で「20代〜30代の男女、全国区」のように、ターゲットユーザーの範囲が広すぎてしまうパターンがあります。
たくさんの人に届けたいという気持ちはわかりますが、
A:「日本全国の20代〜30代の男女」の人に向けた情報です。
B:「25歳の男性、岐阜県在住のファッションに興味があるけど、近場におしゃれなファッション専門店がない人」に向けた情報です。
Aは、広範囲の人に向けた情報、Bはターゲットを絞った情報。
この場合は、Aはほとんど見られず、Bが圧倒的にユーザーに見てもらえます。
Bの情報が見てもらえるのは、見た人が「ん?自分のことだ!」と
他人事ではなく、自分ごと化してくれることで興味関心度が高まります。
逆にAは、ありふれた情報の一つで終わってしまい、自分ごと化されず興味関心度が上がりません。
このようにたくさんの人に届けようとするほど届かず、
ターゲットを明確にして絞り込んで届ける方が結果的に多くのターゲットユーザーを呼び込むことができます。
ここで決めるターゲットユーザーは、個人的主観で決めず、ネットリサーチを行いながら決めていきましょう。
個人的主観で決めてしまうと、そもそも需要がない、需要はあるが日本国内に需要を持った人口が少ない、などの問題が発生してしまいます。
無料で公的な情報を取得できるサイトもありますので、社内にある顧客情報と掛け合わせて決定していきましょう。
現在、インスタグラムを運用されているが「投稿してもなかなか伸びない…」とお悩みの方は、まずターゲットユーザーを具体的に決めることから始めてみましょう。
インスタグラム運用でもっとも大事なポイントがコンセプトの決定です。
先ほどの事前準備でお話しした、「運用する目的」「ターゲットユーザー」この2点を決めた上で、コンセプト設計を行うことで、結果にむすびつきやすくなります。
コンセプトが必要な理由は、
①発信内容に一貫性を持たせる
コンセプト設計を行う第一の目的は、発信内容に一貫性を持たせるためです。
発信内容が定まっていないと、ターゲットユーザーがアカウントを見たときに興味関心を高めてくれません。
たとえば以下2つのアカウントであれば、どちらの発信を見たいと思いますか?
おそらくほとんどの方が、前者のアカウントを見ます。
後者のように多くの内容を投稿するアカウントは情報量は多いですが、専門性がないので、
なんのアカウントかわからずターゲットユーザーにフォローされることはほとんどありません。
「とりあえず情報を投稿していく」ではなく、ターゲットユーザーの目線でコンセプトを考えて一貫した内容を投稿していく必要があります。
「着れればいいだけの服を見たい」のであれば、多種多様な商品がある方がいいですが、
「〇〇のブランドの服が見たい」のであればそのブランドの専門店にいきますよね?
インスタグラムもそれと同じで、多種多様な情報よりも、専門性の高いアカウントがユーザーから評価されやすい傾向にあります。
②運用者だけでなく、企業全体が共通の目的を持つ
社内全体が共通の目的を持つことで一貫した投稿ができる。
インスタグラム運用者が1人〜2人、上長など、人数が増えれば増えるほど一人ひとりに内容が伝わらず、チーム内で認識のずれが生まれることもあります。
チームの認識が違っていたり、投稿者が変わると発信内容にブレが生じて、一貫性のない投稿になってしまいユーザーが離れてしまう原因の一つになってしまいます。
コンセプトを決めておくことで、社内全体の指針が定まり、担当者が違ったとしても発信内容にブレが生じません。
運用者と社内全体で共通の目的を持つためにも、コンセプト設計は重要な項目といえます。
コンセプトを作ることで、
「ユーザーから評価されやすい一貫したアカウントが作れる」
「チーム全体の認識が統一され、運用のブレが発生しない」
この2点がコンセプトを決めるもっとも重要なポイントになります。
同じ分野や業界の競合アカウントを調査し、成功しているアカウントや人気のあるコンテンツをリサーチしましょう。
選んだ競合アカウントの投稿内容を分析し、どのようなコンテンツを投稿しているのか、どのようなテーマやトピックを取り上げているのかを最低でも3社はリサーチしましょう。
見るポイントとしては、
アカウントのブランドカラー、デザイン性、投稿内容の情報、誰に向けて投稿しているのか、ユーザーからの反応はどうか?など、さまざまな観点で競合アカウントを見てみましょう。
競合他社をリサーチすることの最大のメリットは、
すでに伸びている優良なアカウントの情報を元に、自社のアカウントに生かせることです。
いきなり0からの知識でインスタグラムの事前準備、運用を始めるよりも、すでに伸びているアカウントの伸びている要因を知ることで、伸びやすいアカウントを最短で作りやすくなります。
もちろんですが、伸びている要因だけマネして伸びるほど、インスタグラムは単純でありません。
インスタグラムに取り組んでいる企業も多いので、マネするだけではよくあるアカウントの一つとして認識されてしまいます。
競合の伸びてる要因を生かしながら、自社アカウントにしかできない専門性のあるアカウントを作り上げることが競合リサーチする目的という認識を忘れないようにしましょう。
競合をリサーチする際の、競合アカウントの選定方法については「フォロワー数が多いから伸びてるアカウント」と判断しないことです。
良いアカウントを判断する基準は、フォロワー数が5,000以上で、投稿に対してユーザーからのリアクション率が3~5%以上のアカウントが良好なアカウントになります。
※リアクション=いいね!やコメント
アカウントの中には、フォロワーを購入したり、身内でフォロワー数を集めた見栄えだけが良いアカウントも存在していますので、ご注意ください。
インスタグラム運用に求められることは、数多くいるユーザーを飽きさせないために途切れることのない定期的な運用をすることです。
そのためには、
・いつ投稿を作成するか?
・作成した投稿を誰がチェックするか?
・何曜日の何時に投稿するか?
・投稿した後の分析は誰が実施するか?
・イベントやキャンペーンの企画を誰が立てるか?
・運用に関する全体ミーティングを毎月いつ行うか?
まずは、最低限この項目の運用ルールを作成しましょう。
ここでのポイントは、ガッチリとルールを決めすぎないことです。
運用初期の段階でルールを完全に決めきらずに、日々運用を行なっていく中で運用ルールをブラッシュアップしていくことが継続的な運用には欠かせません。
特に本業と兼務で運用される場合は、いざ運用を開始したら想定よりも時間がかかる、投稿するネタが切れてしまいネタ集めに時間がかかるなど、さまざまな課題が浮き彫りになってきます。
実際に運用してはじめてわかることもたくさんありますので、必ず全体でミーティングを行う時間を確保し、現状の課題の洗い出し、その改善策の模索を行なって少しづつ運用ルールを確定させていきましょう。
・インスタグラムを運用する目的の設定
・コンセプトの決定
・競合アカウントのリサーチ
・運用ルールの作成
インスタグラムは無料で手軽に始められるので、何気ない気持ちで始めてしまう方が多いですが、実際に運用を開始してみるとさまざまな問題が発生します。
その問題の9割は、事前準備を行うことで解決することができます。
すでに運用を開始されている方も、今から始める方も、今回お伝えした項目の準備を進めてからインスタグラム運用を始めていきましょう。