
「とりあえずInstagramのアカウントを作ってはみたものの、何を投稿すればいいのか分からない…」
「フォロワーは少しずつ増えているのに、肝心の売上や問い合わせに全くつながらない…」
企業のSNS担当者様から、このような切実な相談をよく受けます。SNSは無料で始められる手軽さがある反面、ビジネスとしての成果を出す難易度は年々上がっています。多くの企業が陥っているのは、「手段(SNS運用)」が目的化してしまい、「戦略」が抜け落ちているという状態です。
SNSマーケティングにおいても、「誰に、何を、どのように伝え、どうやってゴール(売上)へ導くか」という設計図がなければ、日々の投稿作業はただの徒労に終わります。ここでは、私が現場でクライアント様と共に策定している「勝てるSNS戦略」の具体的な手順を、余すことなく公開していきます。
目次
厳しい言い方になりますが、明確な戦略がないまま「なんとなく」SNSを運用するのは、会社の資産である「人件費」と「時間」をドブに捨てているのと同じです。なぜなら、SNSのアルゴリズムは「ユーザーにとって価値あるコンテンツ」を厳しく選別しており、意図のない投稿が偶然バズってビジネスにつながるような奇跡は、今の時代には起こり得ないからです。
「とりあえず運用」が招く悲劇
私が過去に診断したある企業の事例をお話しします。その企業は「若者にアピールしたい」という理由で、TikTok、Instagram、X(旧Twitter)を同時にスタートさせました。担当者は毎日必死にネタを考え、動画を撮影し、投稿していましたが、半年経っても問い合わせはゼロ。担当者は疲弊しきっていました。
原因は明白でした。彼らの商材は「法人向けの基幹システム」だったのです。ターゲットである企業の決裁者は、TikTokでダンス動画を見ているでしょうか? おそらく見ていません。彼らは「若者に流行っているから」という理由だけでプラットフォームを選び、ターゲット不在の場所で叫び続けていたのです。「戦略のミス」は、現場の「戦術(努力)」では決してカバーできません。
戦略がある状態とは?
では、「戦略がある」とは具体的にどういう状態を指すのでしょうか。それは、チーム全員が以下の問いに即答できる状態です。
これらが言語化されていれば、毎日の投稿内容に迷うことはなくなります。「これはターゲットの〇〇さんの役に立つか?」という判断基準ができるからです。戦略策定の有無による運用の違いを、比較表で確認してみましょう。
SNSマーケティングは、農耕のようなものです。今日種をまいて、明日すぐに収穫できるわけではありません。しかし、正しい土壌(戦略)を選び、適切な水やり(運用)を続ければ、必ず大きな実りをもたらしてくれます。まずは焦る気持ちを抑え、土台となる戦略づくりから始めましょう。
併せて読みたい記事:SNSマーケティングで成果を出す投稿の作り方
戦略づくりの第一歩は、「ゴールの設定」です。ここを曖昧にしたままスタートすると、途中で「あれ、なんのためにやってるんだっけ?」と迷子になります。ビジネスにおいては、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)と、そこに至るまでの中間指標であるKPI(Key Performance Indicator)を明確に区別して設定する必要があります。
「フォロワー1万人」を目標にしてはいけない理由
多くの担当者が「とりあえずフォロワー1万人を目指します」と言いますが、私は「なぜ1万人なのですか?」と必ず聞き返します。もし、その理由が「なんとなくキリがいいから」や「箔がつくから」であれば、目標設定としては不十分です。
フォロワー数は確かに重要ですが、それはあくまで「あなたの話を聞く準備がある人の数」に過ぎません。極端な話、プレゼントキャンペーンで集めた関心のない1万人のフォロワーよりも、あなたの商品のファンである熱心な100人のフォロワーの方が、ビジネス上の価値はずっと高いのです。「数」よりも「質」と「行動」にフォーカスしたKPIを設定しましょう。
フェーズに合わせたKPIの選び方
アカウントの成長段階によって、追うべき指標は変わります。立ち上げ期にいきなり「売上」を求めても無理がありますし、成熟期になっても「インプレッション(表示回数)」ばかり見ていては成長がありません。フェーズごとの適切なKPI例をまとめました。
KPIを逆算で導き出す計算式
目標は、精神論ではなく算数で決めます。例えば、Instagram経由で「月間10件の問い合わせ(CV)」を獲得したい場合、以下のように逆算してKPIを設定します。
この場合、今月の目標は「20万リーチを獲得すること」になります。これが決まれば、「週に何回投稿すればいいか」「広告を打つ必要があるか」といった具体的なアクションプランが見えてきます。
KPI設定のセルフチェックリスト
● KGI(最終ゴール)と連動した数値になっているか?
● 「頑張れば達成できそう」な現実的な数値か?(高すぎる目標はNG)
● 自分たちでコントロールできる指標か?(天気や景気に左右されすぎないか)
● 期限(いつまでに達成するか)が決まっているか?

マーケティングの基本ですが、「全員に好かれようとすると、誰にも好かれない」というのがSNSの鉄則です。タイムラインには膨大な情報が流れており、ユーザーは自分に関係があると感じた瞬間にしか指を止めません。だからこそ、たった一人の心に深く刺さるような「ペルソナ(架空の顧客像)」を設定する必要があります。
「20代女性」では何も決まらない
よくある失敗例が、「ターゲット:20代〜30代女性、美容に興味がある人」といったざっくりとした設定です。これでは、新卒の社会人なのか、子育て中のママなのか、独身のバリキャリなのか分かりません。彼女たちは悩みも違えば、SNSを見る時間帯も、響く言葉遣いも全く異なります。
解像度を上げるとは、その人の「生活」がありありと目に浮かぶレベルまで具体化することです。
例えば、「都内在住、32歳、メーカー勤務の営業職。独身。最近肌のくすみが気になり始めたが、残業が多くてデパコスを買いに行く時間がない。夜寝る前にベッドの中でInstagramのリール動画を見るのが唯一のリラックスタイム」といった具合です。
N1分析:実在する顧客になりきる
ペルソナを机上の空論にしないための最良の方法は、「実在する特定の顧客(N1)」をモデルにすることです。
もし既に商品を購入してくれている熱心な顧客がいるなら、その人にインタビューをしてみてください。「なぜうちの商品を選んだのか?」「普段どのSNSを見ているか?」「どんな検索ワードでたどり着いたか?」。
実際の顧客の言葉には、会議室では絶対に出てこないヒントが詰まっています。もし顧客がまだいない場合は、「Yahoo!知恵袋」やSNS上の悩み投稿をリサーチし、ターゲットがどんな言葉で悩みを吐露しているかを分析するのも有効です。AIに頼るのではなく、生身の人間の感情をトレースすることが、共感を生むコンテンツ作りの第一歩です。
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」。孫子の言葉通り、SNS戦略においても競合分析は不可欠です。しかし、ただ単に同業者のアカウントを眺めて「おしゃれだな」「フォロワーが多いな」と感想を持つだけでは意味がありません。彼らが「なぜ成功しているのか」、その裏側にあるロジックを盗む必要があります。
「競合」の定義を広げる
まず注意すべきは、競合は「同業者」だけではないということです。SNSにおいて私たちは、ユーザーの「可処分時間(暇つぶしの時間)」を奪い合っています。
例えば、あなたが「英会話スクール」を運営しているとします。同業の英会話スクールはもちろん競合ですが、ユーザーが英語を勉強する時間にスマホで見ている「海外旅行系インフルエンサー」や「外資系キャリアのビジネス系アカウント」、あるいは「Netflixの海外ドラマ」も、広い意味ではライバルになり得ます。視野を広げて、ターゲットがフォローしているアカウントを分析しましょう。
リサーチで見るべき具体的なポイント
競合アカウントを見つけた際、具体的にどこをチェックすれば良いのでしょうか。表面的なフォロワー数だけでなく、以下の項目をスプレッドシートなどにまとめて比較分析することをおすすめします。
特に重要なのは、成功している投稿だけでなく「失敗している(反応が薄い)投稿」も見ることです。「こういう投稿はウケないんだな」という反面教師のデータは、自社が同じ轍を踏まないための貴重な情報源になります。
SNSは「Social(社会的な)」Networking Serviceです。つまり、企業対個人ではなく、「人 対 人」のコミュニケーションが基本になります。どんなに有益な情報でも、無機質なロボットのような発信では、誰からも信頼されません。そこで重要になるのが、アカウント運用者のキャラクター、いわゆる「中の人」の設定です。
「親近感」と「信頼感」のバランス
「中の人」のキャラ設定には、大きく分けて2つの方向性があります。
自社のブランドイメージや、設定したペルソナが好むコミュニケーションスタイルに合わせて、適切なポジションを選ぶ必要があります。最近のトレンドとしては、完全に個を消すのではなく、「担当の〇〇です」と適度に人間味を出すスタイルが、エンゲージメントを高めやすい傾向にあります。
トンマナ(トーン&マナー)を統一する
キャラ設定が決まったら、それを「トンマナ(世界観)」としてルール化し、チーム内で共有しましょう。
今日は「です・ます調」で真面目だったのに、明日は「〜だぜ!」とフランクになったり、絵文字の使い方がバラバラだったりすると、フォロワーは違和感を覚え、離れていってしまいます。
キャラ設定で決めておくべき項目
● 一人称は何か?(私、弊社、当ブランド、僕、〇〇担当)
● 語尾のトーン(〜です、〜ね!、〜だよ)
● 絵文字・顔文字の使用ルール(使う頻度、NGな絵文字)
● NGワード(競合の批判、政治・宗教の話題、ネガティブな発言など)
ここまでで、戦略の核となる「目的」「ターゲット」「競合」「自社のキャラ」が固まりました。後半では、これらを具体的なアクションに落とし込むための「プラットフォーム選定」や「コンテンツ制作」「PDCAの回し方」について解説していきます。

「とりあえず流行っているからTikTokを始めよう」「競合がやっているからInstagramも開設しよう」
このように、安易にプラットフォームを増やしていませんか? リソース(人員や時間)が潤沢にある大企業ならまだしも、限られたリソースで戦う中小企業や個人の場合、「戦う場所(プラットフォーム)」を間違えた時点で、勝率は限りなくゼロに近づきます。
私が過去に相談を受けたBtoBの製造業の企業様は、製品の魅力を伝えようとInstagramで「映える写真」をアップし続けていましたが、問い合わせは全く来ませんでした。そこで、ターゲット層であるエンジニアや決裁者が情報収集に利用しているX(旧Twitter)とFacebookに注力し、技術的な解説記事を投稿するようにしたところ、わずか3ヶ月で商談につながる問い合わせが発生しました。
重要なのは、「どこに人がいるか」ではなく、「あなたのターゲットは、どのプラットフォームで情報のモードに入っているか」を見極めることです。各SNSの特性と、相性の良いビジネスモデルを整理しました。
主要SNSプラットフォームの特性比較
それぞれの媒体には、ユーザー層だけでなく「空気感」や「利用目的」に大きな違いがあります。これを理解せずに同じコンテンツを使い回しても、反応は得られません。
リソース不足なら「一点突破」が正解
もし、あなたのチームのSNS担当者が1人(または兼務)なら、複数のSNSを同時に運用するのは自殺行為です。中途半端に更新が止まったアカウントが複数あるより、たった一つでも熱量を持って更新されているアカウントがある方が、ブランドの信頼性は高まります。
選定の基準はシンプルです。「ターゲットが最も多く存在し」かつ「自社の商材の魅力を最も表現しやすい」媒体を1つだけ選んでください。まずはそこで成功事例(勝ちパターン)を作り、リソースに余裕ができてから他のSNSへ横展開するのが、最も失敗の少ないロードマップです。
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戦略が決まり、プラットフォームが決まったら、次は具体的な「投稿内容」を計画に落とし込みます。ここで多くの人がやりがちなのが、「毎日その場のノリで投稿ネタを考える」という運用スタイルです。
断言しますが、「計画なき運用」は必ずネタ切れを起こし、担当者を疲弊させ、投稿の質を低下させます。
プロの運用チームは、最低でも2週間先、できれば1ヶ月先の投稿予定を「コンテンツカレンダー」として管理しています。これにより、全体としてのストーリー性を保ちながら、戦略的にユーザーを誘導することが可能になります。
カレンダーに盛り込むべき5つの要素
スプレッドシートやExcelを使って、以下の項目を網羅したカレンダーを作成しましょう。
「ストック型」と「フロー型」を使い分ける
投稿計画を立てる際、私はコンテンツを「ストック型」と「フロー型」の2つに分けて考えることを推奨しています。
【ストック型(資産になる投稿)】
商品の詳しい解説、創業ストーリー、Q&Aまとめなど、いつ見ても価値が変わらない情報。これらは事前に計画的に作り込んでおくべきコンテンツです。
【フロー型(その場限りの投稿)】
時事ネタ、季節の挨拶、トレンドに乗ったネタ、社内のちょっとした日常など。鮮度が命なので、カレンダーには「余白」を残しておき、柔軟に差し込めるようにします。
カレンダー運用を成功させるコツ
● 月間の「特集テーマ」を決める(例:6月は「梅雨対策グッズ」を重点的に紹介する)
● 「記念日カレンダー」を活用し、ネタ切れを防ぐ(例:11月11日はポッキーの日など)
● 週に1回は「振り返り日」を設け、反応が悪かった企画は翌週以降のカレンダーから外す
● 予約投稿ツールを活用し、休日や夜間の手動投稿を避ける(担当者のメンタルケア)
「SNSは無料でできるから良い」というのは、経営者の甘い幻想です。アカウント開設自体は無料ですが、質の高い運用を継続するには、相応のコストがかかります。予算をかけずに成果を出そうとすることは、燃料を入れずに車を走らせようとするようなものです。
SNSマーケティングに必要な予算は、大きく分けて「制作費(人件費)」「広告費」「ツール費」の3つです。これらを適切に配分することが、プロジェクトの成否を分けます。
オーガニック運用の限界と「広告」の必要性
特に強調しておきたいのが「広告予算」の確保です。現在の主要SNS(特にFacebookやInstagram)は、企業アカウントのオーガニックリーチ(広告を使わずに届く範囲)を意図的に絞っています。フォロワーが1万人いても、実際の投稿は10%〜20%程度の人にしか表示されないことも珍しくありません。
そこで有効なのが、「反応が良かった投稿に少額の広告費をかけてブーストする」という手法です。月数万円の予算でも、既存フォロワー以外の層にリーチを広げたり、確実に情報を届けたい層にアプローチしたりすることが可能です。「SNS運用=無料」という固定観念を捨て、「運用×広告」のハイブリッド戦略を取る企業が、最終的に勝ち残ります。
内製化 vs 外注化のコスト比較
「社内でやるか、プロに頼むか」も予算に関わる大きな決断です。
内製化(社員が担当)の場合、見かけ上の支払いは発生しませんが、社員のリソース(給与)という見えないコストがかかっています。初心者の社員が毎日3時間かけて投稿を作るコストと、プロが1時間で作るコスト、そして得られる成果(質)を天秤にかける必要があります。
私のおすすめは、初期の戦略策定や立ち上げ(最初の3ヶ月)だけコンサルタントやプロに依頼し、運用ルールが固まったら徐々に社内運用(内製)に切り替えていく方法です。これなら、間違った方向に進むリスクを抑えつつ、長期的にはコストを下げ、社内にノウハウを蓄積することができます。

「ターゲットは決まった。カレンダーも用意した。でも、具体的に何を書けばいいのか…」
いざ投稿を作ろうとすると、ペンが止まってしまう。これは「企業が伝えたいこと」ばかりを考えてしまっているからです。
SNSにおいて、ユーザーはあなたの会社の宣伝を見たいわけではありません。彼らが見たいのは、「自分の生活を良くしてくれる情報」や「感情を動かしてくれるコンテンツ」です。この視点のズレを解消するために、発信内容を以下の4つの象限で整理してみましょう。
コンテンツの4つの型(マトリクス)
バランスの良いアカウントは、以下の4つの要素がうまく組み合わさっています。自社の投稿が「宣伝」に偏りすぎていないか、チェックしてみてください。
コンテンツのリサイクル(再利用)術
毎日ゼロから新しいネタを考えるのは不可能です。そこで重要なのが「ワンソース・マルチユース(一つの素材を多角的に使う)」という考え方です。
例えば、ブログ記事で「商品の使い方」を書いたとします。これをそのままSNSにリンクを貼るだけでは芸がありません。
1. その内容を要約して、X(Twitter)で箇条書き投稿にする。
2. 写真を使って図解にし、Instagramのカルーセル投稿にする。
3. 実演動画を撮って、TikTokやInstagramリールにする。
このように、一つの「情報」を、プラットフォームに合わせて「料理(加工)」し直すことで、ネタ切れを防ぎながら、各媒体のユーザーに最適な形で届けることができます。
戦略を立て、コンテンツを作り、投稿したら終わりではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。SNSマーケティングの成功の鍵は、投稿後の「分析(Check)」と「改善(Action)」のスピードにあります。
しかし、多くの担当者は「投稿すること」に全力を使い果たし、数字の振り返りをおろそかにしがちです。やりっぱなしの運用では、何が正解なのか永遠に分かりません。
見るべき数字を絞り込む
管理画面には無数の数字が並んでいますが、全部を見る必要はありません。上で設定したKPIを中心に、以下の視点でチェックします。
個人的には、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルよりも、さらに高速な「OODA(ウーダ)ループ」の意識を持つことをおすすめします。SNSのトレンドは秒単位で変わります。じっくり計画を練るよりも、「観察(Observe)→ 状況判断(Orient)→ 意思決定(Decide)→ 行動(Act)」のサイクルを回し、ユーザーの反応を見ながらリアルタイムに軌道修正していく柔軟性が求められます。
「勝ちパターン」を見つけて横展開する
分析を続けていると、必ず「なぜか反応が良い」という勝ちパターンが見つかります。
例えば、「社員の顔出しをした投稿はいいねが多い」とか、「文字だけのシンプルな画像の方が保存される」といった傾向です。
この兆しを見つけたら、すぐに横展開しましょう。同じフォーマットで別のテーマを投稿してみる、同じ構成で動画を作ってみる。こうして「再現性」を高めていくことが、運用の安定化につながります。SNS運用は、科学実験のようなものです。失敗(反応が薄いこと)を恐れず、「この仮説は違ったんだ」というデータが取れたと前向きに捉え、次の実験に進んでいきましょう。
■戦略こそが、不確実なSNS時代の指針になる
ここまで、SNSマーケティング戦略の立て方について、KPI設定から具体的な運用、分析までを解説してきました。SNSの世界は変化が激しく、昨日の正解が今日の不正解になることも珍しくありません。アルゴリズムは変わり続け、新しいプラットフォームが次々と生まれます。
しかし、だからこそ「誰に、何を届けるか」という本質的な戦略が重要になります。テクニックや裏技はすぐに陳腐化しますが、「顧客を深く理解し、価値を提供する」という戦略の根幹は、どんなに時代が変わっても揺らぐことはありません。
もし今、あなたが日々の投稿に追われ、目的を見失いそうになっているなら、一度手を止めて「戦略」に立ち返ってみてください。
「この投稿は、あのペルソナの悩みを解決できているか?」
その問いかけの繰り返しが、あなたのアカウントを、ただの「情報発信の場」から、顧客に愛され、ビジネスを成長させる「強力な資産」へと変えていくはずです。
まずは今日、自社のターゲットペルソナを紙に書き出し、チームで共有することから始めてみませんか? その小さな一歩が、未来の大きな成果への確かなスタートラインとなります。
SNSマーケティング戦略に関するよくある質問
A. 「ダブルチェック体制」と「ガイドライン」でリスクは最小化できます。
炎上の多くは、個人の不用意な発言やチェック漏れから発生します。投稿前に必ず複数人で内容を確認するフローを作り、政治・宗教・ジェンダーなどセンシティブな話題に関する社内ガイドラインを設けることで、過度に恐れる必要はなくなります。
A. 頻度よりも「質」と「継続」が重要です。
無理に毎日投稿して内容が薄くなるくらいなら、週2〜3回でも質の高いコンテンツを投稿する方が、アルゴリズム上の評価も高くなります。重要なのは、ユーザーが忘れない程度に接触頻度を保ち、途中で投げ出さずに続けることです。
A. 絶対にNGです。百害あって一利なしです。
購入したフォロワーはあなたの商品に興味がないため、エンゲージメント率が極端に下がります。その結果、アルゴリズムから「魅力のないアカウント」と判断され、本当に届けたい既存のファンにすら投稿が表示されなくなるという最悪の事態を招きます。
A. 内容(ネタ)は同じでも、見せ方(フォーマット)は変えるべきです。
例えば、Instagramでは「画像内の文字」で説明し、Xでは「テキスト本文」で説明するなど、各プラットフォームのユーザーが見慣れている形式に最適化(リサイクル)して発信することをおすすめします。
関連文献:成功するSNSマーケティングの設計図
執筆者
小濵 季史
株式会社カプセル 代表
デザイン歴30年以上。全国誌のデザインからキャリアをスタートし、これまでに1,000件以上の企業・サービスのブランディングを手掛けてきました。長年の経験に裏打ちされたデザイン力を強みに、感性と数字をバランスよく取り入れたマーケティング設計を得意としています。
また、自らも20年以上にわたり経営を続けてきた経験から、経営者の視点に立った実践的なマーケティング支援を行っています。成果に直結する戦略構築に定評があり、多くの企業から信頼を寄せられています。
香川県出身で、無類のうどん好き。地域への愛着と人間味あふれる視点を大切にしながら、企業の成長を支えるパートナーであり続けます。
